シャイで感じやすい芸術家タイプのペイシェンス・フィリップス(ハル・ベリー)は、どうしてもつい自己の存在に対して申し訳なさを抱いてしまう。いじましいほど従順な彼女がグラフィック・デザイナーとして働くヘデア・ビューティー社は巨大な化粧品会社で、独裁的なジョージ・ヘデア(ランバート・ウィルソン)と彼のスーパーモデルの妻、ローレル(シャロン・ストーン)が経営している。ヘデア・ビューティー社が革命的な老化防止商品の発表を控えていたある日、ペイシェンスはその商品に関する恐るべき秘密を偶然にも知ってしまい、危険な陰謀に巻き込まれる。だが、絶体絶命と思われたその瞬間に、ペイシェンスは救われる――猫の強さ、スピード、敏捷さ、そして超人的に鋭い感覚を持つ女として生まれ変わったのだ。

オフィーリア・パワーズ(フランセス・コンロイ)というミステリアスな師に導かれ、ペイシェンスは新たに見出した勇気と猫特有の直観を極めていくと同時に本当の自分を知り始める。どの時代にもこの途方もない能力を授けられた女がいた。その一番新しい“選ばれし者”こそペイシェンスだったのだ。こうして得た知識と強さで、彼女は善悪の微妙な境界線上を巧妙に歩くしなやかにして密やかなクリーチャー“キャットウーマン”となった。

それまで耐えてきた辛い経験のカタを着けようとキャットウーマンは密やかに街に出て行く。だが、ペイシェンスと熱血漢の刑事トム・ローン(ベンジャミン・ブラット)の関係が急速に発展していくにつれ、彼女の二重生活はたちまち複雑になっていく。ペイシェンスにどんどん惹かれていくローンは、一方で、街に広がっていく一連の犯罪に関係していると思われる妖艶なキャットウーマンのことも頭から離れない。

超人的なパワーをうまく操れるようになるにつれ、キャットウーマンはより強く、より速く、そして敵にとってより大きな脅威となっていく。そしてペイシェンスと彼女の野生の分身との境目は曖昧になり始める。

ワーナー・ブラザース映画提供、ビレッジ・ロードショー・ピクチャーズ製作協力、ディ・ノービ・ピクチャーズ作品“ Catwoman” 、主演ハル・ベリー、ベンジャミン・ブラット、ランバート・ウィルソン、フランセス・コンロイ、シャロン・ストーン。監督ピトフ、製作デニーズ・ディ・ノービ、エドワード・L・マクドネル、製作総指揮マイケル・フォトレル、ベンジャミン・メルニカー、マイケル・E・ウスラン、ロバート・カービー、ブルース・バーマン。脚本ジョン・ブランカート&マイケル・フェリス、ジョン・ロジャーズ。原案テレサ・レベック、ジョン・ブランカート&マイケル・フェリス、ボブ・ケイン創作及びDCコミックス刊のキャラクターに基づく。撮影ティエリー・アーボガスト、美術ビル・ブルゼスキー、編集シルビー・ランドラ。音楽クラウス・バデルト。

本作はワーナー・ブラザース・エンターテイメント・カンパニーのワーナー・ブラザース・ピクチャーズによって配給され、一部領域ではビレッジ・ロードショー・ピクチャーズによって配給される。

ューは1940年春に出版されたDCコミックスの「バットマン#1」での“ザ・キャット”としてで、同年夏の「バットマン#2」で“キャットウーマン”として登場した。そんな感じでデビューこそ地味だったが、キャットウーマンはポップ・カルチャーの典型と言われるまでに進歩した。

「キャットウーマンが60年以上存在し続けているのは、女性の偶像的キャラクターとしては現代最強の1人だからだと思うわ。」と語るのはプロデューサーのデニーズ・ディ・ノービ。「キャットウーマンは頭がよく、強くてセクシー。そういうところはあらゆる年代の男女に受ける資質なのよね。男性にとっては彼女が怖いもの知らずで自分の性的魅力をそのまま受け入れているところにそそられるんだろうし、女性にとって彼女はすごく刺激を与えてくれる存在だと思う。」

1940年の初登場以来、キャットウーマンのキャラクターは様々な変化を遂げてきた。「このキャラクターは神話的な性質を持つため、自由な解釈が許されてるんだ。」と、プロデューサーのエド・マクドネルは言う。「この作品では、キャットウーマンはゴッサム・シティの住民ではないし、バットマンが同じ街に住んでるわけじゃない。今度ばかりは彼女だけが主役なんだ。」

「おじいちゃんの時代のキャットウーマンとは違うの。」とうなづくのは野生のアンチ・ヒーローを演じるハル・ベリー。「彼女は21世紀のキャットウーマンなのよ。とても現代的で今、私たちが知っている文化全体を反映してるの。私たちの解釈によるキャットウーマンはこれまでのキャットウーマンの価値を下げたり、そのどれかに取って代わろうとするものじゃないのよ。そうじゃなくて、彼女は理論上はこれまでに登場し、これからも登場するであろう数多くのキャットウーマンの1人であり、その中の最新バージョンなの。ペイシェンス・フィリップスと私は今回選ばれたラッキー・ガールってわけ。」

ベリーの相手役である俳優ベンジャミン・ブラットはおせっかいな刑事トム・ローンを演じる。ローンは偶然知り合ったペイシェンスに惹かれていくが、うまくいきそうな二人の関係はキャットウーマンの出現であっと言う間に迷路に入り込む。そして彼が捜査している一連の犯行の有力な容疑者としてキャットウーマンが浮かび上がったために、事はいっそう複雑になる。イタチごっこの果てに、ローンはペイシェンスがこの不可解なキャットウーマンに何らの関係があるのではないかと疑い始める。

「ローンは真っ正直な奴でね。」とブラットは言う。「彼は腕のいい刑事で、善悪を信じ、物事に白黒をつけようとする。彼の世界には灰色というか曖昧な部分はあまりないんだ。だから、自分が特別な好意を募らせてる相手が、ヤバイ事に首を突っ込んでるかもしれないと知ると、これはもう、彼にとっては経験のない問題なんだよ。」

『キャットウーマン』の撮影は2003年9月にカナダのバンクーバーで始まった。だが、主役のハル・ベリーにとっては撮影開始のずっと前から役作りが始まっていた。これは肉体的な演技が要求される役だからだ。「私にとってものすごく負担の大きい仕事になるって分かってたわ。」とベリーが思い返す。「だから、2003年6月にはハーレイ・パスターナクと集中フィットネス・トレーニングを始めてたの。私はいつもトレーニングはしてるし、それなりに体調は整えてるけど、このキャラクターに要求される肉体的な演技をこなすためには全く違うレベルのエクササイズ、フィットネス、それに栄養摂取を実行し、キャットウーマンとしてあるべきボディを作り上げなければならなかったの。」

本作全編を通して、キャットウーマンは数多くの壮観なファイト・シーンにかかわっている。「ハルは驚異的な数のファイト・シーケンスやスタントを自らこなしたの。」とディ・ノービは彼女を称える。「撮影当初から、彼女はできる限り自分でやりたいと言ったわ。」

ベリーに手の込んだファイト・シーケンスでの動きを指導したのはスタント・コーディネーターのスティーブ・デイビソンとジェイコブ・ラップ、そしてファイト・コーディネーターのマイケル・ガンサーだ。デイビソンは彼女を彼がこれまで組んだ中で「最ものみ込みの早い1人」だと言う。

「ハルには脱帽だよ。まさにプロだね。」とデイビソン。「彼女の集中力と決断力は僕がこれまで仕事をしてきた誰とも違ってた。だからこそ、僕らは実際のファイト・シーケンスで彼女に通常より多くやらせたし、彼女のスタントダブルに全部を頼らなくて済んだんだ。」

ファイト・シーンの準備や、ムチ使いの達人になるための特別な訓練に加えて、ベリーは猫的な動きを完ぺきにするために徹底的なダンスと動作トレーニングも受けた。「映画で見られるベリーの動きの多くは実際の猫の動作に基づいてるの。」とディ・ノービが説明する。「猫がビルの8階から飛んだり、空中で“8の字飛び”をやってのけたりする時、ほとんどあり得ない、と思うでしょ。それを人間の女性の肉体で再現したのはすばらしかった。この映画の中でお見せするファイト・シーンの中には、観客の皆さんが今まで見たことのないものがあるわよ。」

本作のコレオグラファーであり、フィジカリティー・デザイナーであるアン・フレッチャーは、ベリーのスタントダブルたちと一緒に猫の動きを表す“言葉”を考え出し、それをビデオに録ってベリーの教材にした。「ニト・ラリオーザの肉体表現を私が撮影したの。」とフレッチャーは語る。「そのテープは動きを見せる最高の教材となったので、必要とあれば動きをそらに磨き、連続性を保つのにも役立ったわ。」

ディ・ノービはキャットウーマンの革新的なスタイルを大いに喜んだ。「パンチや体重や肉体的な優位さで敵と戦うことに慣れてる男たちとキャットウーマンは猫のような動きで戦うの。見てるとすごく楽しいわよ。ツメやケリや天井へのジャンプや、床からの垂直のジャンプや、くるりと回る動き・・・。どれもとにかくすごいの。」

『キャットウーマン』は2004年夏にワーナー・ブラザース・エンターテイメント・カンパニーのワーナー・ブラザース・ピクチャーズによって全世界で公開される予定。